


マロ氏による、子どもたちと保護者を交えて「お話
寺子屋”守破離”」が、山口県周南市で開催されまし
た。
【マロさんのお話のポイント】
〇きれいな音を出すためには、「弓で弦をつかむ」、
つかんで摩擦を与えると自分の気持ちが入りやすい。 箱の上ではなく、底を鳴らさないといけない。
〇パートトップがパートのメンバーにタイミング
や音楽のニュアンスを分かりやすく伝える合図は
呼吸だ。
全員が同じ呼吸をできるようにすることが大切。 予備運動の呼吸が合図であり、楽器を上げることが
合図ではない。呼吸で次を見せることだ。 そして、一点に集合させようと合図を出そうとする
のではなく、集合地点の幅を少し広げてファジーに
してあげて、この辺だよと示してあげると自然に集
まってくれる。
ファジーなところから想像できる少しの余白を作っ
てそこに落とし込もうとすると相手がが自分のとこ
ろと融合しようとする。点ではなく面で考えること。
〇オケは人それぞれ解釈違うからいい。 違うのを寄せていくために必要なのは気持ちで、
それが大事。そこに寄り添っていくために練習する。 相手のことを知ることから始まる。 相手の音楽に耳を傾けることから。
〇楽器の演奏技術練習以外で大切にしたいことは、
演奏で表現すること。
生徒には必ず、「桃太郎」をジェスチャー付きで抑揚
をつけてやらせることにしている。
「むかしむかし、あるところ、おじいさんとおばあ
さんが・・・」という言葉は便利だが、言葉で伝えら
れないことはいっぱいある。音を並べるだけではなく、 音楽を“演奏”で表現することか大事。 大人よりはるかに子どもは想像力に優れている。 大人は正しくちゃんとしなければならないと思って
しまう。
〇子供が練習を、自分の課題として取り組むように
できる心構えとして、練習は、技術よりちょっとや
さしい半分の力でできるものをやり、ちょっと頑張
らないとできないものを同時にすると近道だ。 そして、本当は子どもと同じときに親も練習を始め
るのがいい。
親が練習しなさいではなく、練習していることを見
せることが大事。
子どもは同じことやる。子どもは大人の真似したがる
から。 そして、他の子と比べるのだけはやめてほしい。 昨日より今日はいいという目標がいいのではないか? 完成させる目標は子どもにはつらい。

マロ氏による、子どもたちの保護者を交えて「お話寺子屋”守破離”」が、大牟田にて開催されました。
【マロさんのお話のポイント】
〇サブタイトルの「守破離」に込めた想い
型(基本)の習得[守]: まずは伝統や基本をし
っかりと身につける。
自己流の展開[破]: 基本の型を踏まえたうえ
で、自身の工夫や思考を取り入れて既存の枠組
みを抜け出す。
オリジナリティの確立[離]: 試行錯誤を経て、
独自の「自分らしさ」を新しく創造する。
〇MIT(マサチューセッツ工科大学)の事例とAI時代
の音楽
高い履修率の背景: 世界最高峰の理系大学であ
るMITでも、音楽が授業に積極的に取り入れら
れ、多くの学生が履修している。
AIが発達し、答えだけを簡単に求めてしまう今
の時代、正解のない音楽に向き合うことは必要
なこと。 「正解のない問い」に向き合う。
芸術にはいろいろな分野があるが、音楽におい
ては、古いものを守り伝承していく過程で、
作曲家の意図を想像したり、妄想したりする。
人の数だけ解釈の仕方があり、そのような想像
力・思考力がAIが発達し、答えだけを求めてい
く今の時代には大事。
〇AIが普及・進化する時代だからこそ、「自分で思
考し、模索して答えを作り出す力」を育むことが
非常に本質的で大切。
〇これからの時代を生きる子どもたちには、単に知
識や答えを与えるのではなく、「自ら考える力」
を引き出す取り組みや言葉掛け(関わり方)が
不可欠である。

マロ氏による、7月18日と19日の2日間にわたる山口県の周南フィルハーモニーの演奏指導が行なわれました。
また、19日は、光義務教育学校の小中学生で構成される弦楽合奏部の演奏指導を行った(写真)後、保護者や音楽の先生を交えて「お話寺子屋」が開催されました。
お話寺子屋では、保護者や音楽の先生、生徒からの質問があり、マロさんならではの子供の指導法についてのお話がありました。
【マロさんのお話のポイント】
Q.音楽が楽しいと思うのはどうな時か?
A.音楽が楽しい以上にそれ以上のものを音楽が教えてくれた。
楽しいと感じるのは、自分で考えて糸口を見つけて先に一歩進んだ時
Q.子供の接し方は?
A.子どもに対しては“教える”のではなく、“導くこと”が大事。
Q.多様性・個性と大切にすると、子どもは自分のやりたいことしかやらなくなる。わがままとの境界性をどう伝えればいいか?
A.世の中の決められたルールを守りながら自分を作っていくことが本来の自由。その線引きが難しいが、“協調性のある自由”とでもいうことだと思う。それがよく解るのが音楽だ。合奏では各パートが別々のことをやるが、自由でありながら協調性が保たれている。“自分の考えを持った自由”とも言える。 Q.音の響きを大事にしたいがどうしたらいいか? A.全員で開放弦を弾いて、全員の音が共鳴し一つになる瞬間がくるので、それをやってみればいい。
詳しくは、個人会員・アーティスト会員の方が閲覧できる「マロのQ&Aライブラリー」に掲載していますのでご覧ください。
マロさん流の子供教育、いや指導の考え方がよくわかります。
子どもに教えるということは、一緒に考えてあげること。
自分で考えることを教えると、自分で答えを待つようになる。
「勉強しなさい、練習しなさい」と強制したり、「だれだれがやっている」と比較するのはだめ。子どもは基本的には放っておくのがいい。
子どもが何に興味があるものか、子どもに何か必要なのかをリサーチし、そしてそれが子どもに合うかどうかを見極めてあげることが大切だ。
憧れが全てのエネルギー、憧れを持たせること、
それを拾うための題材を周りにちりばめてあげればいい。
子どもの特性を見つけ、子どものいいものを探してほめてあげた上で、悪いところをどうすればいいかを一緒に考えてあげることが大切だ。
所詮、子供達に満足感や達成感がないと子どもは練習しないもの。
一緒に歩むことができるのは家族しかいない。



東北ユースオーケストラへの指導2日目は、オーケストラ全体とパート別の練習となりました。
午前中から午後にかけて、弦全体と金管・木管・打楽器の各パート別のレッスンが行われました。
今回はMusic Forceより、6名の国内で対活躍されている演奏家、プロオケ首席の演奏家(ヴァイオリン2名、ビオラ1名、フルート1名、オーボエ1名、打楽器1名)を福島に招いて、きめ細かな指導が行われました。
団員もなかなかこうした機会はなく、貴重な学びとなりました。
その後はマロさんによる熱気にあふれた全体練習が行われました。
団員に具体的なイメージを描いてもらうため、様々なたとえ話を連発されてとても楽しい練習でした。
「ここは音階を正しく弾くことよりも大事なことはここなんだよ!」という様々な大切な気付きを得られ、ベースには弓を指板に当ててバチバチ音させて!などとエネルギーを注入された結果、指導される前とは見違えるように活気のある魂のこもった演奏に生まれ変わりました。
終了後はほぼ全員が並んだマロさんのサイン会となりました。

《マロ氏がピアノの入江一雄氏と演奏しながら、多くの子どもとその親に向けた楽しいお話をされました》
僕は音楽やってると世界中に友達ができると言われて育ちました。 大人が子どもに正しいことを教えるのはとても大切なことではあるんだけど、逆に答えのないことを考えさせることも大事です。
例えば、空の色を絵に書く時も、同じ青でもいろんな色もあるし、灰色だったり、夕焼けのオレンジだったり人によって答えはそれぞれに違う、考える、想像することが大事なんです。
今からドヴォルザークという作曲家の曲を演奏しますが、彼は言葉ではなく、音楽の中にいろんなことを表現しています。
答えの無いことを一生けん命考えるように、曲の中に様々な景色を書きました。
夕焼けや草原や土地の匂いや、機関車の音などを曲の中に表現したんです。
音楽は答えがないから難しそうに見えるけど、答えが無いからこそいろんな想像ができるんです。
自分から答えを求めること、探究していくものを常に与えることと、親も一緒にやってあげて、体験を共有してあげるこると子どもは成長すると思います。

《冒頭のマロ氏のお話》
日本とヨーロッパでは、子ともの教育は違うと感じている。
日本で音楽をするには音楽大学に行かねばならないという風潮があるが、ヨーロッパでは音楽院があり、年齢に関係なく学べる、つまり音楽は万人に対して平等なのだが、日本にはその意識がない。
また、日本では誰かと比較して判断されることが多く、コンクールなどで人と評価して自分の立ち位置が決められていく。
本来音楽は人生を豊かにし、共に人生を歩むためにあり、従って一生音楽をやめない子どもを育てる必要がある。
しかし、実際行われていることは、先生も親もコンクールや大学に入れることに一生けん命で、結局大半の子どもはどこかで音楽を断念させられる。
そういうことを無くし、音楽に一生向き合って生活できる場を創りたい。それが寺子屋。
日本では、一つの答えを導き出すことを教えているが、物事を発想することや憧れること、好奇心を持つことが全てのエネルギーだと思う。
ヨーロッパは基本口頭試験で、答えのないことを先生としゃべらないといけない。
音楽の試験でも自分が作り上げた音楽を提示(演奏)して評価される、つまり自己表現が評価される。
誰かの演奏に憧れて真似するのはありだが、単に再現するだけのコピーでは子供の発想は止まる。
考えることを教える場所として寺子屋を展開していく。

《ヴァイオリンの公開レッスン》
【生徒】 井口結唯(いでぐちゆい)さん。
パガニーニの難局を素晴らしいテクニックで弾かれる中学生でした。
【マロさんの指導】
〇素晴らしく上手に弾けているが、今まで練習したことをパーフェクトに弾いているだけではなく、自分から発信しないといけない。
〇楽譜に書かれている決められたものは守る必要があるが、そこからはみ出てくる世界をの自由に泳いで、それを表現して欲しい。
空は「青」と言うが、人それぞれに感じ表現する空の色は異なる。違う者を発想することが大事。 音楽には決まった答えはない 決まった答えを音楽は求めない、違う答えを出すこと
〇自分でイメージすること。音楽は想像力を与えてくれる。弾き時に自分なりに情景を想い浮かべ、それを表現することが大事。
〇作曲したパガニーニはイタリア人だけど、イタリアってどんなところなんでろう? 上手くなるためには練習ではなく、そういう好奇心が大事。
そして、例えば明るいイタリアの情景の中で、甘いものでも食べてるイメージを想像して弾いてみる。 音を弾くのではなく、景色を弾くといい。

マロさんが、ヴァイオリンの公開レッスン後に、先生方に向けて次のようにお話しされました。
レッスンする時は、悪いところを見つけるのは簡単であり、そこを直すのではなく、可能性を広げることが大事だと思う。
学校は様々なことを平等に進めていかなければならないだろうが、本当の平等は子どもたちそれぞれの個性を発揮させ、回りに発信させていくことだと思う。
オーケストラはまさにそういうことで、楽器が個性を持って、同時に音を出して成り立ってる。
個性が違う者が集まりながらも、一つのものが同時に進んでいくことができれば面白いと思う。
オーケストラでは個人の特性を目いっぱいだすことが大事で、メロディーを奏でている楽器がころころ変わるが、それ以外の人は必ず耳を傾けている、だから同時に動ける。
楽器それぞれの大事なポジションや役割が決まっているが、それぞれのパートは自分達の特性を表に出す。それが溶け合って素晴らしい響きを生み出していく。
だから、いろんな子どものそれぞれの個性をどんどん出させて、お互いに認めあうことを指導して欲しい。
マニュアルに無いことをマニュアル外のこととして物事を考えられれば面白いことが起きるはず。マニュアルの中に収めようとするとパンバンになってしまう。
親は練習しろとか勉強しろとか一切言わず、好奇心を持つことを教えられた。
そして、練習すれば世界中に友達ができるという目標を与えてくれた。
目先のことを達成することを言うのではなく、その先を見せる、示すことが大事だと思う。
欠点は直らないのだから、それよりできることをやった方が楽しいし、そうしていくことにより欠点がくるまれていき、やがてそれは長所となる。
ヨーロッパに行ってそれが大事だということがよく判った。
向こうは加点法だからいいところを提示することによって成績が上がっていく。
そして、自分の意見を言うことを求められ、何と何がそぐわないかを説明してくれて、その後は徹底してディスカッションが行われる。
正しいことを答えることではなく、違う世界があることを教えてもらった。
「横断歩道みんなで渡れば怖くない」はダメ、で終わるのではなく、そこからディスカッションして何故だめなのか、考える力を与えることが大事で、そうすると子どもたちは自立できる。
「守破離」という千利休の素晴らしい言葉があるが、この世界を子供たちが実現できれば新しい未来を創りだしてくれると思う。

音楽は「再生芸術」であり、自分ならではの発想で新しいものを生み出す姿勢が大切です。CDなどの録音は完成形を固定化してしまい、そこに頼りすぎると「自分で探す旅」を省略しかねません。
今の時代は便利になりすぎ、答えが簡単に手に入ります。しかし、子どもたちが模倣だけで終わってしまうことに危機感を覚えます。
日本の教育は自由な発想を恐れがちです。これからは「答えのないこと」を学ぶ姿勢が必要です。そうでなければ、人は社会の「部品」になってしまうからです。AIにできない表現を生み出せる人間を育てなければなりません。
便利なデジタルツールも良い面はありますが、失われているものも多い。手間をかけて学ぶことの大切さを忘れてはいけません。
もし音源の模倣だけで済ませるなら、クラシック音楽を「再生芸術」として続ける意味は薄れてしまいます。
私はヨーロッパで音楽の「生きる力」を学びました。極限状況の中でも音楽が人に力を与える。それこそが音楽の「Force(力)」です。
こうした理念に共感する人が増えていけば、きっと世界は変わる。その希望のもとに、まずは「移動寺子屋」として活動を始め、多くの人が「心の大切さ」に気づける場を作りたいと思います。 Music Forceは、「音楽に何かを感じられる人間」を育てることを目指しています。
